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鉄道車両工房【 分類番号:房
トラ−製作2-1 】

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Bトレインショーティー製作例〜その2

『Bトレインを塗装する』(1ページ目)

 Bトレインショーティーは塗装済み組み立てキットなので、塗装をする必要は無いのですが、製品が自分の望む塗装の車両であるとは限りません。

 そこで、自分の欲しいカラーに塗装を変更するわけですが、実は言葉で言うほどそんなに簡単な物ではありません。


クハ481「特急 かがやき・きらめき」仕様
Bトレインショーティー「エクスプレス版・上沼垂塗装仕様」より再塗装

 まぁ、一見普通に塗装できているように見えますが、実は、製品の上から全体に「白」を塗装している関係上、各部のモールドが塗膜で隠れてしまっています。
 それだけならまだいいのですが、この「かがやき・きらめき」カラーは「模型用ラッカー系塗料」を使用していて、下地となっている製品の「上沼垂色」が溶け出し、窓ガラス部分との境界は実は見るも無残な状態と化しています(触るとぽろぽろと剥れる・・・(滝汗))。

 このままでは実用に耐えかねるため、折角製品に綺麗に施されている(エクスプレス版は見るに耐えかねますが(笑))塗装を「完全に」落してしまいましょう。

と言うわけで、「塗装編」に入る前に、「塗装を落す編」をお送りします(汗)

◆その0 塗装の落とし方◆

では、ボディーの塗装を落としましょう。では早速「ラッカーシンナーのプール」にダイビング・・・

ちょっと待った〜〜〜!!

鉄道模型改造派の方ならご存知かと思いますが・・・
ボディーの塗装を落す際、KATO製の車体を「ラッカーシンナー」で落した事があるかと思いますが、その際、ボディーはどうなりましたか?
塗装は綺麗に落ちたかと思いますが、その代わり、ボディーに細かな「クラック」が無数に入り、そこからボロボロと崩れてしまったという経験があるかと思います。
ボディーに使われているプラ素材が「ラッカーシンナー」に対して脆く、運が悪いとボディーが割れてしまいます。
これでは、塗装云々以前の話になってしまいます。

実は、Bトレインのボディーも同じ現象が起き、ラッカーシンナーがボディーのプラ素材を侵し、ボロボロになってしまいます。
(エクスプレス版の透明ボディーはこの限りではありません、念のため。)

では、どうやって塗装を落す?まさか丁寧に1000番くらいの耐水ペーパーで磨きだす?
実は、そんな事はしなくてもいのです。

その1:薬品「2−プロパノール」を使う。
 化学薬品の「2−プロパノール」(イソプロピルアルコール、通称IPA。組成:CH3-CHOH-CH3)に漬け込めば、塗膜が綺麗に落ちる(らしい)です。(筆者は未確認ですが、塗膜落しに有効との情報がいろんな方面からあり。)
化学薬品なので、工業用を大量に購入すれば安価になりますが、消防法上の「危険物 第4類 アルコール類(だったかな?)」に指定されていますので取扱には注意が必要で、高純度の試薬ならいざ知らず、純度の低い安価な「工業用薬品」ともなれば、「劇物・毒物」や「重金属類」等人体に対し毒性のある物質が微量ながら不純物として混入されている可能性もあります。
また、廃液も「産業廃棄物」として処理しなければならない場合も出てきます。
 市販品としては、カー用品で「ガソリンタンクの水抜き剤」として売られていて、それがBトレインの塗装を落すのに適しているらしいのですが、当然ながら「用途外」の使用法となり、「PL法」によるメーカー保証の対象外となりますので、ご利用は各自の判断にて。

その2:模型用「水性塗料専用溶剤」を使う。 [おすすめ♪]
 これは意外な盲点です。
 プラモデルへ塗装する場合、メーカー側からは安全な「水性塗料」を使用することを推奨していますが、この水性塗料は、「乾燥が遅い」,「色調が今一歩」と言った感じで意外と扱い辛く、昔からのモデラーは、通常は色数も豊富で乾燥が速い「ラッカー系塗料」を使用しています。
 と言うわけで、普通のモデラーは大抵使わない溶剤でして、水溶性塗料の「希釈用」というのが最大(と言うか、その程度でしか使えない)の用途では、「これ、使えるの?」といった感がありました。
 ところが、実際に使ってみると驚くほどの効果を発揮してくれます。

←これが、その水性塗料専用溶剤

GSIクレオス製
「水性ホビーカラーうすめ液」
(中:110ml/特大:400ml入り)

見た目が「Mr.カラー用うすめ液」(ラッカー系)と
似ているので要注意です。

 この他に、タミヤ製のアクリル塗料用溶剤(水性)もあります。
 どちらも溶剤自体は似たようなものですので、どちらでもお好きな方を。

その「使い方」と「効果」


化学室のホルマリン漬け?(笑)
100mlポリ広口ビンが便利。
取り出しはピンセットで。

1.とにかく「漬け込む」

 この水性溶剤は、Bトレインのボディーに施されている塗装を、「ふき取る」事によって落す・・・と言う訳ではありません。
 暫くこの溶剤に漬け込んで、塗膜自体をプラ素材から剥がれやすくすると言った使い方をします。

 通常の塗装なら大体5時間くらい漬け込めばはがれやすくなりますが、銀塗装に関しては、少々剥がしづらいため、半日以上は漬け込んでおいたほうが良いかと。


左端:漬け込み5時間で塗膜を剥がす。
右ドア付近:ボロ布に水性溶剤を染み込ませ、擦る。
「ふき取り」では効果を発揮しない。

 


上:製品/下:塗装を落したもの
ここまで見事に塗装を落せます。

2.おもむろに塗膜をはがす

 漬け込んだ物を溶剤から取り出し(塗膜がぼこぼこに膨れていればOK)、おもむろに「ウェットティッシュ」など少々繊維の強い紙や綿の布切れなどで塗膜を擦り取る。
 塗膜は、簡単にべろっとはがれて綺麗なプラ素材の表面が顔を出します。
 ただ、スジ彫りや奥まったエッジ部分には塗膜が残りますので、溶剤を付けた爪楊枝や歯ブラシなどで擦り取れば綺麗に落ちます。

結果、このように見事に塗装を落す事が出来ます。


〜その他の車種〜
左:エクスプレス版モハ150,
中:209系中間車,右:165系中間車
いずれも程よく塗装が落ちています。

尚、エクスプレス版のボディー(と、屋根板も?)と通常版の透明前面パーツについては、ラッカーシンナーを使用しても、プラ素材を侵す事無く塗装を落せます。

エクスプレス版は特に妻面のモールドが深く、一気に塗膜をはがすことが困難なので、大まかに水性溶剤で塗装を落し、残りの部分を「模型用ラッカーシンナー」に漬けて、大きめの平筆か刷毛で丁寧に擦り落せば良いかと。
(ラッカーシンナーの臭いは強烈なので、よく換気する事。昇天しても知らないよ〜(笑))

〜おまけ〜


左上:水性溶剤オンリー
右下:ラッカーシンナーオンリー
あれ?クハ151ぢゃない???
それは気のせいです(笑)

その1:
エクスプレス版・ラッカーシンナーとの比較

実際に塗装を落してみました。
「水性溶剤」:
  5時間漬け込み、塗膜擦り取り
「ラッカーシンナー」:
  溶剤に漬けながら、平筆で擦り取り

まぁ、工程が異なるので一概に単純比較は出来ませんが、ラッカーシンナーの方が綺麗に塗装を落す事は出来ますよね・・・

但し、塗装を落した時に、
「水性溶剤」は、微量の赤2号の顔料が溶剤に溶け出し、薄いピンクにはなりましたが、再利用は可能です。

が、・・・
「ラッカーシンナー」の方は、全ての塗料が溶け出して、再利用どころの騒ぎではありません。廃液確定です(滝汗)

溶剤の再利用性も考えて計画的に塗装を落しましょう。

 


前面の塗装を模型用ラッカーシンナーで
落してみました・・・
そんなに曇ってないような気も・・・

その2:
ラッカーシンナーでは透明パーツが「曇る」んですが。
(と言う声もありますが・・・)

え?そうなんですか?
確かに透明度は低くなるかもしれないですが、元々模型用ラッカーシンナーでは透明プラ(恐らくスチロール樹脂製)は侵さないはずなんですけど・・・


右の前面が曇って見えますね。
これは・・・?

左は再度模型用ラッカーシンナーでふき取り
曇りすっきり♪

← あれ?ひょっとして、こういう事?

ラッカーシンナーで落した塗料が
落ちきらずに表面に残っているだけ?

じゃないでしょうか(汗)。
もう一度、綺麗な「模型用ラッカーシンナー」を綿棒などにつけて丁寧に擦り取ってみてください。
そうすると、ひょっとすると曇りが綺麗に取れるかも知れませんよ。
それでもダメなら、キメの細かい「艶出し用コンパウンド」で丁寧に磨き上げれば・・・復活するかも(汗)

その3:
他のNゲージ製品の塗装は「水性塗料用うすめ液」で
落ちるの?

結果から言います。

落ちませんでした(滝汗)以上。

どうやら、こればかりは2−プロパノールのお世話になることに・・・(汗)

その4:
通販でおなじみの
洗剤をを使わず水だけで汚れが落ちる「あのスポンジ」
では落せるの?

これも結果から言います。

落ちませんでした(滝汗)以上。

確かに、あの「メラミンフォーム」は水垢汚れや油汚れなどを洗剤無しで見事に落してくれる優れものです。
通販のCMでは、スーパーのポリ袋に印刷された物を水だけで綺麗に落していたので、これは!?と思ったのですが・・・
ダメでした(汗)

こんなもので塗装が落ちるようじゃ、模型として失格ですからネェ・・・。

まぁ、そんなこんなで塗装を軽く落してみました。
では、何故塗装を落さなければならないのか?
それは次回のお楽しみ♪


予告の1枚(笑)
これは何が言いたいんでしょうかね・・・?
「マスキングか汚い・・・」では無いです(汗)

続きは「こちら

Wild_D4作成:2003年11月02日
追記:2003年12月10日

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